睡眠不足に悩まされようと、雨が降りしきる中で泥にまみれようと、日々の買い付けは続きます。
長い交渉になると、一店舗で二時間から三時間も要することになり、かなりクタクタな状態で部屋に戻ることに(交渉が長引くというよりは、ほとんどの場合「買い付ける商品の検品作業」に手間取っている)。
そんな中、一日の締めくくりにと、ワクワクしながらオーダーグッズをピックアップしに行きました。
すると、どうでしょう?
それを見せられた瞬間、私とChoriはがっくり肩を落とし、言葉も発せられずその場に立ち尽くすことになりました。
そんな異常な状況を感知できずに「どうよ、この素晴らしい出来は?」と、誇らしげにニコニコと、満面の笑みを浮かべる店の店員。
「なんじゃこりゃーーー!!!」
不幸なことに、先に我に返ったのは激情型のわたくしでありました。
「誰がこんなデザインをオーダーしたよ?! しかもあれほどしつこく確認した糸の色もぜんぜん違うじゃん!!!」
もう、次から次へと非難の言葉が止まりません。
怒りまくる私を尻目に、ムードメーカー型のChoriは「これはオーダーしたものとまったく違うよね? そうじゃないというなら明日朝一でこの間のサンプルを持ってくるから一緒に確認しよう」と冷静なお言葉。
「こんな不気味な色使いじゃお店に置けないよ!」
「糸が途中でなくなったからこっちの色にしたって?! そんな勝手な判断が通用すると思ってるわけ?!!!」
いつまでも興奮冷めやらぬご主人さまを、「とにかく、今そんなことを言っても仕方ないから明日出直そう」となだめ、店から連れ出すChori。
間違いは仕方ないのです。
許せないのは、ミスを認めないで「こっちのデザインだって素晴らしい」だとか「指定の色がなくなってしまったのだから他の色で代用したのは仕方ない。わかる?」だとか「ほんの少し違っただけ」だとか、言い訳ばかりを並び立てるその姿勢。
こんなこと、ありがちなことで、今さら真剣に腹を立てるのはそろそろ卒業したいと思うのだけれど、なかなかそこから抜け出せない。
このユルイ店員だけでなく、私もまだまだいろいろと、経験が足りないようである。